糖尿病で目が悪くなるの
糖尿病患者は現在全国で約700万人いると言われています。
糖尿病は全身に及ぶ合併症を引き起こす危険があり、『網膜症』『腎症』『神経障害』は
三大合併症です。
目の合併症は『網膜症』以外に『白内障』『緑内障』 『眼筋麻痺』があります。
糖尿病網膜症とは
糖尿病により目の奥にある網膜の細い血管が障害される病気です。網膜に出血やむく
みを生じ、進行する と目の中に出血( 硝子体出血)したり、網膜剥離を起こしたりし
ます。わが国の成人の失明原因の第1位 がこの網膜症によるものです。網膜症は進
行過程にしたがって次の3段階に分けられます。
● 単純網膜症:網膜に小出血、血管瘤等が認められ、自覚症状はありません。
● 前増殖網膜症:網膜の血管が詰まりし始め、軟性白斑が出現しますまだ、この段階
でも自覚症状はほとどありません。
● 増殖網膜症:悪い血管(新生血管)が発生し、硝子体出血、網膜剥離をおこします。
この段階になり初めて見づらさを自覚します。
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《写真は前増殖網膜症です。網膜の細い血管の一部は閉塞しており、レ−ザ−光凝固が必要です》
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糖尿病網膜症の治療は
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まずは糖尿病の治療です。糖尿病のコントロールが良好なら、網膜症も進行する危
険性はなくなります。
● 定期的な眼底検査を
網膜症が進行しても自覚的には分からない場合があります。定期的な眼底検査を必
ず受けましょう。検査を受ける頻度は網膜症の進行度によって異なります。
網膜症のない人:1年に1回
単純網膜症 :3〜6ヶ月に1回
前増殖網膜症 :1〜2ヶ月に1回
増殖網膜症 :2週間〜1ヶ月に1回
● 治療
進行度によって異なります。
単純網膜症 :止血剤・血管拡張剤などの内服薬を投与して、経過観察。
前増殖網膜症:新生血管の発症予防のためレ−ザ−光凝固が必要となる。
増殖網膜症 :外科的な硝子体手術が行われます。
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